日本糖尿病学会(春日雅人理事長)が、糖尿病の食事療法に欠かせない「食品交換表」の使い方を患者向けに分かりやすく解説した「活用編」(文光堂、840円)を初めて出版した。食品交換表は、摂取エネルギー80キロカロリーを「1単位」とし、1単位に相当する食品の重量を表示する。活用編では、具体的な食材の選び方やメニューの考え方を紹介した。
食品交換表は1965年に発刊、既に1000万部以上が販売された。食品を炭水化物や野菜、魚介・肉類など六つのグループに分け、メニューや食材を同じグループ内の別の食品に「交換」することで、献立の種類を広げてもらうのが目的だが、一般の患者からは「専門的で分かりにくい」との声も上がっていた。
このため活用編では、1日15単位(1200キロカロリー)、18単位(1440キロカロリー)、20単位(1600キロカロリー)、23単位(1840キロカロリー)の4段階について、朝・昼・夕食と間食のお手本の献立を写真入りで紹介。献立の一部を他のメニューや食材へ入れ替える具体的な方法も示し、バラエティーに富んだ食卓の実現をアドバイスしている。
また、現代人の食習慣に合わせ、市販の総菜の食べ方も掲載。栄養成分表示の見方や食塩含有量の計算法、家庭メニューへの総菜の取り入れ方をイラストを使って紹介した。「Q&A」のコーナーでは、「コーヒーや緑茶はどのくらい飲んだらよいのか」「果物は一日に何種類も食べてよいのか」「野菜の重さは調理前か後か」など、患者から実際に寄せられた質問への回答を載せた。
編集にあたった同学会の食品交換表編集委員長によると、活用編の出版を考えたのは、「食品交換表に掲載された献立だけを毎日食べている患者がいる」と聞いたことがきっかけだった。
編集委員長は「食品交換表の上手な利用法や、本人の好みに合わせた献立の考え方などを具体的に示す必要があると考えた。最近は肉のメニューの比率が高まっており、食品交換表を利用しながら脂肪が少ない食材への『交換』を促したいとも考えた。糖尿病患者には中高年の男性も多く、定年を迎える団塊の世代の人たちがこの活用編を読んで、家庭での食生活にも関心を持つきっかけにしてもらいたい」と話している。
毎日新聞 2007年6月8日 東京朝刊
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